設置背景
ゴム製フロアーマットとは、鉱山用の長距離ベルトコンベアに使用されている超合性のラバーベルトを、使用後の表面を削り、滑り止めの溝を入れリサイクルしたものです。ゴム質は硬く、内部にはスチールワイヤが何本も入っています。
共同で作業を行ったRF SERVICES社の話によると、アメリカでは現在、他社製マットの傷みが早いことから、このマットへの切り替えも増えているそうです。また、消耗して張り替えたものはないということでした。 パイオニアファームでは、デラバル社の搾乳ロボット2台を使用することになり、牛の歩行・移動を優位にするため、フロアーマットの設置を検討していました。
一般的に使用されているゴムマット+バーンスクレイパー(スラリー)では、既存の450頭搾乳規模の糞乾施設での処理が難しくなります。既存施設と併せて使用できる方法でなくてはなりません。 そこで、アメリカで10数年以上の実績がある、ゴム製フロアーマットの設置となりました。これにより、ローダー(タイヤスクレイパー)の走行も可能になります。
設置工程
日本でのゴム製フロアーマットの設置は、パイオニアファームが初めての導入事例となります。写真のロールは、1個で約1.5tあります。
マットを設置する床は平らにしておきます。マットの端を合わせ、ロールを一枚ずつ敷いていきます。
リフトでロールを引きながら通路幅に合わせマットを敷き、余分をカットして調整します。
片側から一枚ずつ、専用ビスを打ち込み固定し、マットを引っ張った状態で反対側も同じように固定します。
両端はカッターできれいに揃えます。縦のラインも一枚ずつビス止めします。
設置完了
使用風景
作業を終えて
すでに敷き終わったマットの上を歩きながら作業をする場面では、足、腰への負担が非常に少なく、通常の作業よりも体は楽に感じたので、牛の体重を考えると、このマットはかなり高い効果を期待できるように感じました。このフロアーマットはゴムが温度により伸縮することを考慮し、説明しながら設置する必要があります。
パイオニアファーム様には、『蹄の負担を軽くするために、牛舎通路にゴムマットを敷くことが有効なことは以前から分かっていましたが、今までのゴムマットでは利用性・耐久性に併せてコスト等の問題でなかなか実現するに至りませんでした。今回ゴムマットを敷き、牛を入れてみて利用性・作業性は問題ないと感じています。あとは初めてのマットということで耐久性かな(笑)』とご満足いただきました。
持帰り予定の残ったマットは、パーラーへの移動通路や乾乳舎の通路等、既存牛舎へ使用となりました。
2011年5月
追記:2013年3月
2年前に設置し、レポートしたその後の動画です。
動画提供:RF SERVICE,INC.
ジグザグマット設置後2年経過。
大型ローダーで毎日2回の除糞作業にもマットはまったくへたっていません。