ピートさんは施設と換気のコンサルタントでもあり、栄養の面からだけでなく牛舎施設のアドバイスもありました。
牛の選び食いの問題点と調べ方
・牛が選び食いをすると、いくらきちんと飼料設計しても設計通りの栄養を摂取してくれない。特に高泌乳牛は細かい飼料原料ばかり食べアシドーシスになってしまう。
・選び食いをしていないか、新鮮な餌と残飼をパーティクルセパレーターにかけ比較し調べる。
ペンステート・パーティクル・セパレーターを使えば、食べる前の餌と残飼を入れてふるいにかけることで選び食いしているか分かります。牛が細かい飼料ばかり選び食いしていれば前者と後者に違いが出ます。
牛の選び食いをさせない方法
・選び食いをしているようであれば、粗飼料の切断長は最大でも3.8センチ以下に短くすること。(この長さであればルーメンマット形成に問題はないとのこと)
・TMRをぎゅっと握って手を開いたときにTMRがバラバラ落ちない程度に加水する。加水することで細かい飼料原料が粗飼料にくっつき選び食いが減るとともに、乳生産に必要な水も同時に摂取できる。
牛舎環境にも気を配る
餌だけでなく、下記のポイントを気にかける必要があるとピートさんは語っています。
・牛舎環境、適切なストールサイズなども重要視する。
・牛が1kgの乳を生産するには乳房に500kgの血流が必要で、乳房への血流を上げるには牛がよく寝ている必要がある。
・高温多湿な日本でのヒートストレス対策はミストだけでは不十分なので、サイクロンやトンネル換気を活用する。
以上のアドバイスを実践して頂いたところ、乾物摂取量が翌日より徐々にふえ、乳量が増えたというコメントを頂いた牧場もありました。
今回訪問した牧場で少しずつ試していただき、効果が出るか今後フォローしていきます。
投稿:2019年10月1日