初産牛を平均18ヵ月齢で分娩させる【世界一の酪農経営】

初産牛の分娩月齢を早めることは、私が酪農産業で競争に勝ち生き残るうえで必要不可欠な課題です。初産牛の分娩月齢を早められれば、その分利益を早く手に入れられるからです。平均分娩月齢が2ヶ月早くなれば、収入は2ヶ月早まり、経費でしかない育成経費は2ヶ月少なくてすみます。

1.強い意志と確固たる目標を持つ

日本のセミナーで”24ヶ月を指導しているが、18ヶ月ではリスクが多すぎる”との発言がありました。その通りです。挑戦したいかどうかは酪農家次第です。私も最初から成功した訳ではありません。最初の年は半数以上の初産牛が分娩後にメタメタの状態になりました。大切なのは高い目標を持つことです。

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2.安産の基本は母牛がイングリッシュボーンであること

生まれた子牛の体重を計るのは重要です。私の牧場では雄子牛の平均体重は55kg、メス子牛は平均50kgです。

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3.子牛の管理

  1. 誕生後2〜4時間のうちに3.8ℓの初乳を強制給与する。(12時間間隔で2回)
  2. 初乳を与えたあと、大腸菌、肺炎、免疫強化のワクチンを3種類投与する。
  3. 初乳後は全乳を2日間与える。
  4. 4日目からは代用乳1.4ℓを12時間間隔で1日2回与える。
  5. 4日目に子牛がミルクを飲み終わったら、すぐにペレットのスターター飼料を一握り子牛の口に押し込む。(これが大事な仕事、子牛は問題なくペレット飼料を食べるようになる)
  6. 7日目になると、葉の多いチモシーかアルファルファを手でもんで小さく丸め、子牛の口に押し込む(これは栄養的な意味ではなく、胃袋にカサのあるものを詰め込むことで骨格を広げる効果がある。子牛の骨は柔軟性に富んでいるので、見違えるような外形になる)
  7. 離乳の目標は3週齢、ペレット飼料を1.4kg摂取したときが目安となる。

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4.育成牛の管理

  • 離乳した子牛はグループで管理し、グループの頭数も次第に増やす。
  • サイレージ給与は6ヶ月齢から、CP18%のTMR飼料を不断給餌し、目いっぱいの発育を狙う。
  • 9ヶ月齢になると雄のいる種付グループに移すが、移す牛の選定は月齢や体高を考慮せず骨格で判断する。
  • 分娩予定60日前になると、経産牛の乾乳グループに移される。

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シリーズ『世界一の酪農経営』


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