フロリダ海外研修 ジェフリー・ダール博士 ヒートストレスについて

初日はフロリダ大学畜産学部のジェフリー・ドール博士より、ヒートストレスの影響について講義を受けました。

ヒートストレスの害

★乾物摂取量の低下
★産乳量の低下
★代謝の低下

牛の呼吸数を見ればヒートストレスかどうか分かる

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1分間に60回以上呼吸をしている場合はヒートストレスと判断。

冷やした牛 ⇒ 呼吸数40回
暑い牛 ⇒ 呼吸数75-80回

ヒートストレスにかかっている時間が短いほど早く回復する。
昼も夜も冷やしたほうが良いが、どちらかと言えば昼より夜、牛を冷やしたほうが回復が早い。

ヒートストレス対処法

とにかく重要なことは「カウクーリング」

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具体的には・・

★建物や日よけを作る
★密度を下げる、ホールディングエリアにいる時間を減らす
★飼料の濃度を上げる ⇒ 乾物摂取量の低下を補う
★暑い時期はクーリングする(フロリダでは常に)

クーリングは、換気扇の風とソーカー(シャワー)を牛体に当てることが一番効果がある。(ソーカーで濡らしても乳房は濡れないので問題ない)

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待機場ではソーカーと扇風機を設置する。
待機場に居る時間は最大でも1時間まで。

*フロリダではミストは全く効かないというのは定説。ミストは環境の温度は冷やせるが、牛は冷やせない。

乾乳期にヒートストレスだった牛は次の泌乳期の乳量が低い

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泌乳期はもちろんですが、乾乳期に暑熱対策をすることで、次の泌乳期での乳量の増加(3~4kg)、ボディコンディションスコアの改善、産まれた子牛の増体率の向上、事故率が改善するという研究結果が得られたとのことです。


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