カリフォルニア海外研修2012/4/17 Rob Van Grouw Dairy

4/17訪問 Rob Van Grouw Dairy

牧場DATA

DATA
★経産牛 1,200頭
★2回搾乳
★従業員 13人
★乳量 39.4kg/頭
★乾物摂取量 25.8kg/頭
★飼料効率 1.52
★エサ代 $7.22/頭

イーストカルチュアーXP使用

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イーストカルチュアーXP使用牧場。クロースアップに112g、フレッシュ牛に56g使用。搾乳牛へはXPCの入ったプレミックスを給与。イーストカルチュアーを使うようになってから乳量が1.3~1.8kg増加した。

膨大な敷地はすべてコンクリート舗装され、機械の作業性を損なわないようになっている。

サイレージ

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コーンサイレージはフェースカッターでサイレージの面を綺麗に切り崩して与えている。
カリフォルニアではサイレージの温度は28~30℃の範囲なら良いとされている。
表面の下にもう1枚サイロストップと言う空気を通さないシートを敷く。これにより空気をしっかり遮断する。

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サイレージ作りのポイントは、
1.収穫時の水分
2.鎮圧
3.採取するフェース面の管理
が重要とのこと。

鎮圧が1立方メートルあたり16kg高くなると乾物ロスが1.25%低くなる。
カリフォルニア州でのコーンサイレージの単価は乾物で$200/トン。

マネージメントについて

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写真はマネージャーのホゼ・カンポスさん(46)。
この農場のマネージャー歴は7年、トータルでのマネージャー歴は32年。2つの牧場のマネージメントを行っている。

Q:マネージャーとして、どんな仕事をしているのか?

ホゼの1日の仕事

★朝の2:30 起床
★残飼の確認・PCに入力・無駄が無いかを常にチェック
★4:00からエサ担当が作り始めるので本日のエサの量を指示する
★12:00 昼食
★もう一つの牧場へ移動
★搾乳者をチェック、14:00の給餌を確認
★Rob Van Grouw Dairyに戻る
★給餌の仕事チェック
★15:30になったらオフィスワーク(データの入力・チェックなど)
★最後にトラックで牧場のまわりを巡回してスタンチョンロックやゲートの確認などを行う
★もう一つの牧場へ移動して同じことを行う
★17:00 帰宅
★繁殖の管理(目標は年間24~25%の受胎)
★コンサルとの飼料管理
★搾乳者のトレーニング
★敷料(戻し堆肥)の管理

「牧場経営を成功させるためには良いマネージャーを採用して下さい。 もしくは、ご自身が朝早起きして仕事をすることです。」

「お金は問題ではない。仕事とはアート(芸術)だ。」

従業員(メキシカン)の仕事

【エサ担当】 朝4~10時までエサ作り→昼食→11:30から2回目のエサ作り→帰宅

【他スタッフ】5時出勤→全頭ロックして病気・異常ないか確認→AIなど

Q:TMR飼料をどのようにマネージメントしているのか?

切断長が5~6.4cm以上になればミキサーの刃をチェックする。
エサ押しは12回/日。これにより牛の乾物摂取量が高くなる。2日ごとに飼槽を掃除する。

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粗く仕上げられたTMR

施設について

暑熱対策として、スタンチョンの上に首を冷やすソーカーを設置(今回訪問したどの牧場にも設置してあった)。
ソーカーは1分間に約4L、昼夜問わず気温が18.4℃になると稼働する。
ソーカー1分稼働後、換気扇がONになる。換気扇の角度は73度。

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乳房炎の管理

搾乳する人間の教育から始める。
敷料の堆肥の乾燥度合いを100%にする。
現在のSCCは9万3千~10万2千で、プレミアム乳価になる。乳房炎の牛は全体の0.3%にあたる2000頭。
乳房炎とMUNは全く関連がないとのこと。尿・ガスなど環境のことを考慮して、MUNは9.5位に抑える。

【経営の5つの重要なポイント】

★良い飼料
★牛のコンフォート
★従業員のマネージメント
★乳質
★資金の管理

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オーナーのRob Van Grouwさん(51)


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