乳牛の勝負は分娩後5日間!【世界一の酪農経営】

乳牛はハードル競技に出る選手と同じです。酪農家は選手のコーチです。ハードル競技では、最初のハードルをトップで越えれば勝ったも同然です。コーチである酪農家の任務は、選手である乳牛が最初のハードルをトップで越えられるようプログラムを組むことです。ハードル競技の最初のハードルまでが、酪農では分娩後の5日間なのです。この間によいスタートをきった乳牛は、残りの泌乳期を問題なく終えることができます。私はこの5日間の牛の状態を見て、その牛の一年間の乳量を当てることができます。

分娩後5日間の管理

1.乾乳牛のグループの中で分娩した牛は初乳を搾られた後、フレッシュ・フレッシュ・グループに移す。

このグループは14頭で構成されている。これは7頭のダブルパーラーで一度に対応するための頭数。(フレッシュは分娩の意味)

2.フレッシュ・フレッシュ・グループの牛は毎日食欲をチェックする。

食欲のある牛は「3」、食欲がまあまあな牛は「2」、食欲のない牛は「1」と評価されます。

3.食欲「1」の牛にはブドウ糖、抗ヒスタミン剤、デキサメタゾン(抗炎症薬)の静脈注射、カルシウムの口径投与を行う。

食欲「2」の牛は注意して観察されます。

食欲「3」の牛は5日間の食欲をみて次のグループに移動されます。

このフレッシュ・フレッシュ・グループの牛には、高泌乳牛のグループが給与されるTMRのほかに乾草がいつでも食べられるように置かれています。

4.フレッシュ・フレッシュ・グループがパーラーに入ると、毎日次のことをチェックする。

  • 体温を計る。
  • 脈搏数を計る。
  • 尿検査を行いケトーシスをチェックする。
  • 聴診器でルーメンの働きをチェックする。

もしルーメンの回転が1分間に4回以下ならブドウ糖、デキサメタゾン、カルシウムの静脈注射を行う。

5.フレッシュ・フレッシュ・グループにいる期間は少なくて5日間、長くとも10日とします。

平均は7日間です。

6.その後、牛は分娩40日までのグループに移される。ここでの最大の目的は乾物摂取量を最大にすること。

搾乳後の2時間以内に1日の飼料摂取量の80%を食べてしまいます。そこでTMRは毎日1回掃除し、1日6回飼料を飼槽に押し戻します。寝ている牛は起こして飼料摂取にチャレンジさせます。

7.飼料摂取量を最大にするためにイーストカルチュアーは欠かせない飼料添加物である。

フレッシュ・フレッシュ・グループも含めて1日1頭あたり400グラムを与えます。乾乳牛には200グラムです。イーストカルチュアーはストレス管理に重要です。与える量は一般の酪農家よりも多いですが、特に分娩牛にとっては確実に役立ち、ルーメンを活発にして強く保ちます。

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